「空気」に水を差す勇気
全体主義的な「空気」に支配された組織が、破滅に向かうのを止めるにはどうすればいいのか。
山本七平の結論は厳しい。
「誰かが『王様は裸だ』と言うしかない。」
しかしそれは、組織内での村八分や抹殺を覚悟する行為だ。
50代の私たちは、中間管理職として、あるいはシニア社員として、この「水を差す役割」を期待されているのかもしれない。若手が言えないことを、嫌われることを覚悟で口にする。それが「敗戦(失敗)」を回避する唯一の道だ。
定年後の「Re:Birth」を考える時、組織に依存しない個人の確立が不可欠だ。組織の論理(空気)から離れ、自分の頭で考え、自分の言葉で語る。このブログも、そんな「個」の訓練の場でありたい。
歴史は繰り返すのか
最後に著者は警鐘を鳴らす。「日本的な組織の構造が変わらない限り、形を変えて敗戦は繰り返される」。
バブル崩壊、企業の不祥事、政治の迷走。本書が書かれて40年以上経つが、その予言は悲しいほど当たっている。だからこそ、今こそ読み返すべき名著なのだ。
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