📖 Deep Reading難しい名著を理解する

【#03】集団の責任を個人で引き受けるには

「空気」に水を差す勇気

全体主義的な「空気」に支配された組織が、破滅に向かうのを止めるにはどうすればいいのか。

山本七平の結論は厳しい。

「誰かが『王様は裸だ』と言うしかない。」

しかしそれは、組織内での村八分や抹殺を覚悟する行為だ。

50代の私たちは、中間管理職として、あるいはシニア社員として、この「水を差す役割」を期待されているのかもしれない。若手が言えないことを、嫌われることを覚悟で口にする。それが「敗戦(失敗)」を回避する唯一の道だ。

定年後の「Re:Birth」を考える時、組織に依存しない個人の確立が不可欠だ。組織の論理(空気)から離れ、自分の頭で考え、自分の言葉で語る。このブログも、そんな「個」の訓練の場でありたい。

歴史は繰り返すのか

最後に著者は警鐘を鳴らす。「日本的な組織の構造が変わらない限り、形を変えて敗戦は繰り返される」。

バブル崩壊、企業の不祥事、政治の迷走。本書が書かれて40年以上経つが、その予言は悲しいほど当たっている。だからこそ、今こそ読み返すべき名著なのだ。

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