📖 Deep Reading難しい名著を理解する

【#03】 個人の意識などというものは存在するか?

意識の統一性

昨日の私と今日の私は同じだ、と誰もが信じている。しかし、意識の内容は刻一刻と変化している。西田は、この変化の中にこそ「統一する力」があり、それこそが実在なのだと説く。

「意識は常に一つの体系であり、その中心には統一的な自己がある。しかしその自己とは、固定された『モノ』ではなく、活動そのものである。」
会社での肩書きや過去の実績にしがみつくのは、固定された「偽の自己」を守ろうとする行為なのかもしれない。本当の自己とは、今この瞬間、新しい課題に向き合い統一しようとしている「動き」の中にしかない。

意志の力

「意志」もまた、単なる欲望ではなく、この統一作用の最も強力な現れだとされる。何かを成し遂げたいと思う時、それはエゴの叫びではなく、世界が(経験が)自らを完成させようとする動きそのものなのかもしれない。

50代からのRe:Birthプロジェクトも、そう考えれば個人的な趣味の領域を超えた、一種の必然的な「統一作用」に思えてくる。

Sponsored: Psychology Books