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掌編小説:雨上がりの停留所

透明な傘越しに見る世界は、いつもより少しだけ歪んで見えた。バスを待つ10分間の、小さな奇跡。

水たまりに反射する信号機の赤が、点滅を繰り返している。私は濡れたローファーのつま先を見つめながら、ため息を一つ吐いた。

「降り止まない雨はない」なんて陳腐な言葉を誰が最初に言ったのだろう...

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